光学系エンジニアのノートを始めます

光学全般

①なぜエンジニアノート?

私は光学を扱うエンジニアで,光学に対して2つの課題を感じています.
①光学は身近な存在でありながら,学ぶ機会が限られていること
②光学エンジニアにシステムを俯瞰するスキルが求めらつつあること
以上の2つの課題感から,知識を整理・共有して少しでもエンジニアの支えになればと思い,本ブログを立ち上げました.

②なぜ光学?

さて,ここで光学という単語について掘り下げたいと思います.光学という単語は日常会話ではあまり聞き慣れないですよね.そこで,Wikipediaで調べると次のように記述されています.

物理学の一部門で、光の性質や現象を研究する学問

Wikipedia

つまり学問のことを指しますが,光を扱うエンジニアは光を使った製品や機能のことを”光学系”と呼ぶことがあります.言い換えると”光学システム”ですね.学問の名前が製品に使われる面白い分野だと思います.
それでは,光学系を持ったモノを挙げてみます.例えば,カメラ,望遠鏡,レーザプリンタ,プロジェクタ,メガネ,テレビ(表示部やリモコン),鏡,LED照明,車のヘッドライト,ヒトの眼球など身近なモノがいっぱいあります.そのため,それらを支える光学という学問も多岐にわたります.例えば,幾何光学,波動光学,レンズ設計学,レンズ加工学,光学ガラス,照明設計学,回折光学,生理光学,レーザ光学,散乱光学,ナノフォトニクス等です.

一方で,そのようなモノを支える光学という学問を学べる機会が限られているのが現状です.それは,日本国内においては光学を体系的に学べる大学がごく一部であり,多くの光学技術者は企業に入社してから学ぶからです.これが私が感じる課題その①です.

③なぜ光学系?それはシステムとしての光学

ところで,近年では光学エンジニアに期待されるアウトプットは,光学にとどまらなくなりつつあると感じます.一昔前までは,光学エンジニアは光学モジュールのみを担当する感がありました.ところが近年では,光学モジュールを含むシステム全体の最適化が求められるようになりつつあると感じます.先の光学系という単語にあるように,元々は光学システムとして存在しうるたぐいの分野だから必然とも思えます.システム設計できるためには,デバイスの知識,メカの知識,エレキの知識等々,様々な知識が要求されます.それら周辺技術とうまく折り合いをつけ,システム全体として最高のパフォーマンスを発揮させるスキルが求めらている,これが私の感じる課題その②です.